私が歯列矯正を決意したのは、長年のコンプレックスだったガタガタの歯並びが原因で、人前で心から笑えなかったからです。写真を撮られる時はいつも口を固く結び、友達との会話中も無意識に手で口元を隠す癖がついていました。そんな自分が嫌で、いつしか性格まで内向的になっていたように思います。矯正治療は費用も期間もかかる大きな決断でしたが、「このまま一生コンプレックスを抱えて生きていくのは嫌だ」という強い思いが私を後押ししました。治療が始まると、想像していた以上の痛みや不便さに何度も心が折れそうになりました。特に調整後の数日間は食事もままならず、喋るのも億劫で、本当に辛かったです。しかし、鏡を見るたびに少しずつ歯が動いているのが分かると、それが大きな励みになりました。「もう少し頑張れば、理想の笑顔が手に入るんだ」と自分に言い聞かせ、長い治療期間を乗り越えました。そして、ついに矯正装置が外れた日。鏡に映る自分の整った歯並びを見た瞬間、言葉にならないほどの感動と達成感で胸がいっぱいになりました。自然と口角が上がり、生まれて初めて心からの笑顔がこぼれた気がします。その変化は、見た目だけではありませんでした。あれほど嫌だった写真撮影も今では大好きになり、人前で話すことへの抵抗感も薄れました。友人からは「なんだか明るくなったね」「笑顔が素敵になった」と言われるようになり、新しい自分に生まれ変わったような気分です。仕事でも、以前より積極的に意見を言えるようになったり、初対面の人とのコミュニケーションもスムーズになったりと、良い影響ばかり。歯列矯正は、私にとって単に歯並びを治す治療ではなく、自信を与え、人生を前向きに変えてくれた大きなターニングポイントです。あの時勇気を出して一歩踏み出して、本当によかったと心から思っています。