私の矯正バンド!臭いとの静かなる戦い

私の矯正バンド!臭いとの静かなる戦い

Dr.asai 2025年6月8日

長年の夢だった歯列矯正をついに始め、美しい歯並びを手に入れるための道のりがスタートした当初は、期待で胸がいっぱいでした。最初はワイヤーが口内炎の原因になったり、食事の際に食べ物が予想以上に挟まったりと、慣れないことの連続でしたが、それも理想の笑顔のためだと思えば乗り越えられる試練だと感じていました。しかし、治療が進み、奥歯に金属製のバンドが装着されてから数週間が経過した頃、新たな、そして非常に厄介な問題が私の前に立ちはだかったのです。それは、自分自身の口から発せられる、なんとも表現しがたい不快な臭いでした。その臭いは自分でもはっきりと認識できるほどのもので、人と近距離で話す際には無意識のうちに口元を手で覆ったり、相手に不快感を与えていないかと常に気を遣うようになり、以前のように積極的にコミュニケーションを取ることが億劫になってしまいました。初めのうちは、気のせいかもしれない、あるいは一時的なものだろうと自分に言い聞かせていましたが、残念ながら日を追うごとにその臭いは強くなる一方で、どんなに丁寧に歯磨きをしても、食後すぐに磨いても、まるでリセットされるかのように臭いが戻ってきてしまうのです。特に起床時や、長時間会話をしなかった後の口臭は、自分でも耐え難いほどのレベルに達しており、精神的にも大きな負担となっていました。藁にもすがる思いでインターネットで情報を検索してみると、歯列矯正中のバンドが臭いの原因となることは決して珍しいことではなく、多くの人が同様の悩みを抱えているという事実を知り、少しだけ安堵感を覚えると同時に、この問題を絶対に解決しなければならないという強い決意を新たにしました。最初に試みた対策は、歯磨きの回数を増やし、一度の歯磨きにかける時間を大幅に延長することでした。バンドの周囲を特に念入りに、様々な角度から磨くように心がけましたが、磨いた直後は一時的にスッキリとした感覚が得られるものの、根本的な臭いの改善には至りませんでした。