噂の痛みは本当?私の矯正治療中のリアルな感想

噂の痛みは本当?私の矯正治療中のリアルな感想

Dr.asai 2025年6月9日

歯列矯正と聞くと、多くの人がまず「痛み」を心配するのではないでしょうか。私も治療を始める前は、インターネットで体験談を読み漁り、「どれくらい痛いのだろう」「食事はできるのだろうか」と不安でいっぱいでした。実際に経験してみて思うのは、「痛みは確かにある。でも、耐えられないほどではないし、必ず慣れる」ということです。私の場合は、まず最初のワイヤー装置を装着した日の夜から、じわじわとした締め付けられるような痛みと、歯が浮いたような感覚が始まりました。特に食事の時、前歯で何かを噛み切ろうとするとズキッとした痛みが走り、最初の数日間はお粥やヨーグルト、うどんなど柔らかいものしか食べられませんでした。これは、歯が動き始める合図なのだと頭では分かっていても、やはり辛いものは辛かったです。そして、月に一度の調整日。ワイヤーを交換したり、締め直したりするのですが、この調整日の後、2~3日は必ずと言っていいほど同様の痛みがありました。痛みの種類としては、歯が直接痛いというよりは、歯の根元や歯茎全体が圧迫されているような、鈍くて重い痛みです。痛み止めを処方してもらっていたので、我慢できない時は服用していましたが、それでも食事の時はゆっくりと、奥歯で慎重に噛むようにしていました。また、ワイヤーやブラケットが口の内側の粘膜に当たって口内炎ができることも頻繁にありました。これは本当に地味に痛くて、食事はもちろん、話すことさえ辛い時もありました。歯科医院でもらったワックス(装置に貼り付けて粘膜を保護するもの)は常に持ち歩き、怪しいと思ったらすぐに貼り付けていました。滑舌が悪くなるのも、地味なストレスでした。特にサ行やタ行が言いにくく、仕事で電話応対をする時は少し気を使いました。でも、こうした痛みや不便さも、不思議なことに数日経つと嘘のように和らぎ、また普段通りの生活に戻れるのです。そして、次の調整日が近づくと「またあの痛みが来るのか…」と少し憂鬱になる、その繰り返しでした。そんな私が痛みを乗り越えられたのは、やはり「綺麗な歯並びになりたい」という強い目標があったからです。鏡を見て少しずつ歯が動いているのを確認したり、治療後の自分の笑顔を想像したりすることで、辛い時期も何とか乗り切ることができました。