「歯列矯正を始めたら、大好きな部活動は続けられるの?」「給食やお弁当、今まで通り食べられるかな?」歯列矯正を控えた中学生の皆さん、そして保護者の方々は、治療中の学校生活について様々な疑問や不安をお持ちではないでしょうか。結論から言うと、ほとんどの場合、歯列矯正をしながら部活動も食事も楽しむことは可能です。まず部活動についてですが、吹奏楽部で管楽器を演奏する場合や、格闘技系の接触が多いスポーツをしている場合は、注意が必要です。管楽器の場合、マウスピース(唇と装置の間に入れる保護材)を使用したり、装置に慣れるまで少し時間がかかったりすることがあります。また、ラグビーや空手、バスケットボールなど、顔にボールや他人がぶつかる可能性のあるスポーツでは、口の中を傷つけたり、装置が破損したりするのを防ぐために、スポーツ用のマウスガードの装着が推奨されます。これらの点は、事前に担当の歯科医師に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。文化系の部活動や、接触の少ないスポーツであれば、特に大きな支障なく続けられることがほとんどです。次に食事についてです。矯正装置をつけたばかりの頃や、ワイヤーを調整した直後は、歯が浮いたような痛みを感じたり、硬いものが噛みにくかったりすることがあります。そんな時は、無理せずお粥やうどん、細かく刻んだ野菜など、柔らかくて食べやすいものを選ぶ工夫をしましょう。学校の給食やお弁当では、硬いおせんべいやリンゴの丸かじり、粘着性の高いキャラメルやガムなどは、装置が外れたり壊れたりする原因になることがあるので、避けた方が無難です。小さく切って食べる、ゆっくりよく噛んで食べることを心がければ、多くのメニューは美味しくいただけます。そして何より大切なのは、食後の歯磨きです。矯正装置の周りには食べカスが挟まりやすいので、給食後も丁寧に歯を磨く習慣をつけましょう。最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、少しの工夫と慣れで、矯正中でも充実した学校生活を送ることは十分に可能です。