歯列矯正の道のりは、時に険しく、孤独を感じることもあるでしょう。「痛くて食事が摂れない」「装置が気になって笑えない」「いつ終わるのか先が見えない」…そんな辛い気持ちが積み重なり、挫折しそうになった時、あなたは誰にその胸の内を打ち明けますか? 一人で抱え込まず、適切な相手に相談することが、困難を乗り越えるための大きな力となります。今回は、元矯正経験者であり、現在は歯科衛生士として多くの患者さんのサポートをしているBさんに、誰にどのように相談すれば良いか、お話を伺いました。「私も矯正中は何度も『もうやめたい!』って思いましたよ」とBさんは当時を振り返ります。「特に調整後の数日間は、本当に憂鬱でした。そんな時、私がまず頼ったのは、やはり担当の歯科医師と歯科衛生士の先生方でしたね」。Bさんによれば、医療者に相談する際は、具体的な症状と、それによって何に困っているか、そしてどんな気持ちでいるのかを素直に伝えることが大切だそうです。「先生方はプロですから、痛みの原因を特定して緩和策を提案してくれたり、治療計画を再確認して見通しを話してくれたりします。何より、親身に話を聞いてくれるだけで、精神的にすごく楽になりました」。次に、家族や親しい友人も心強い相談相手です。ただし、矯正未経験者には辛さが伝わりにくいこともあるため、「ただ話を聞いてほしい」「共感してほしい」と、相手に求めるサポートを具体的に伝えると良いでしょう。気分転換に付き合ってもらうのも効果的です。「そして、意外と力になるのが、同じように矯正治療を頑張っている仲間、つまり矯正経験者や現在治療中の人たちです」とBさんは続けます。SNSやブログ、あるいは矯正歯科が開催するイベントなどで、同じ悩みを持つ人々と繋がることができます。「『分かる!私もそうだった!』という共感は、何よりの励みになりますし、具体的なアドバイスや便利なグッズの情報交換もできます。ただし、ネット上の情報には不確かなものもあるので、鵜呑みにせず、あくまで参考程度に留めることが大切です」。矯正治療の辛さは、経験した人にしか分からない部分も確かにあります。しかし、あなたは決して一人ではありません。適切な相手を選び、勇気を出して相談することで、挫折しそうな気持ちを乗り越え、治療を続けるための新たなエネルギーを得られるはずです。
歯列矯正挫折寸前誰に相談すればいい?