歯列矯正の最後の調整は、理想の歯並びを完成させるための最終段階です。この大切な機会を最大限に活かすために、患者さん自身も事前に確認しておきたいポイントを整理しておくと良いでしょう。まず、最も重要なのは「自分の理想とする歯並びや噛み合わせになっているか」という点です。治療開始前に歯科医師と共有したゴールイメージと照らし合わせ、気になる部分がないか最終確認しましょう。例えば、歯の傾き、歯と歯の間の隙間、前歯の突出具合、正中線(顔の中心と歯の上下の中心線)の一致、笑った時の歯の見え方など、具体的なポイントを鏡を見ながらチェックします。もし、ほんの少しでも「もう少しこうしたい」という希望があれば、遠慮なく歯科医師に伝えることが大切です。最後の調整は、そうした細かなリクエストに応えてもらえる最後のチャンスかもしれません。次に、噛み合わせの確認も重要です。奥歯でしっかり噛めているか、前歯で食べ物を噛み切りやすいか、左右のバランスはどうかなど、食事の際の機能面も意識してみましょう。違和感がある場合は、それも伝えるべきです。また、今後の保定期間についても詳しく聞いておきましょう。どのような種類のリテーナーを使用するのか、装着時間やお手入れ方法、保定期間の目安、通院頻度など、具体的な情報を得ることで、スムーズに保定期間へ移行できます。さらに、装置を外した後の歯のケア方法や、ホワイトニングなど他の審美治療を考えている場合は、そのタイミングについても相談しておくと良いでしょう。歯科医師は、患者さんの疑問や不安に対して丁寧に説明してくれるはずです。最後の調整は、医師任せにするのではなく、患者さん自身も積極的に治療に参加し、納得のいく形でゴールを迎えるための重要なステップと捉え、疑問点は全て解消しておくことをお勧めします。