長年、歯並びの悪さに悩んでいましたが、同時に私は軽度ながら歯周病も抱えていました。「この状態で歯列矯正なんてしたら、歯が全部抜けてしまうんじゃないか…」そんな恐怖心が、なかなか治療に踏み出せない大きな理由でした。インターネットで情報を集めれば集めるほど、「歯周病の人は矯正リスクが高い」といった言葉が目に飛び込んできて、不安は募るばかり。それでも諦めきれず、勇気を出して矯正専門の歯科医院の門を叩きました。初診のカウンセリングで、正直に歯周病の懸念と歯が抜けることへの恐怖を伝えたところ、先生は私の話をじっくりと聞いてくれました。そして、まず歯周病の状態を精密に検査し、その進行度合いを正確に把握することから始めましょう、と提案してくれたのです。検査の結果、幸い私の歯周病は初期段階であり、適切な歯周病治療を先行して行い、口腔内の環境を整えれば、矯正治療は可能であるとの診断でした。ただし、治療中も通常以上に徹底したプラークコントロールが必要であること、そして定期的な歯周ポケットの検査とクリーニングが不可欠であることも念を押されました。もし歯周病がコントロールされていない状態で無理に矯正力をかければ、歯周組織に大きな負担がかかり、歯の寿命を縮めてしまうどころか、本当に歯を失うリスクもあると改めて説明を受け、身が引き締まる思いでした。現在は、歯周病治療と並行して、慎重に矯正治療を進めています。毎日の歯磨きは以前にも増して丁寧になり、歯科医院での定期的なメンテナンスも欠かさず受けています。あの時、恐怖心に負けずに専門医に相談して本当に良かった。歯を失う恐怖と向き合いながらも、信頼できる先生と二人三脚で、健康で美しい歯並びを目指せることに感謝しています。