ここは、ある矯正歯科クリニックの診察室。長年通院してきた患者のAさんと、担当医のS先生が、歯列矯正の「最後の調整」を迎えています。「Aさん、こんにちは。いよいよ今日が最後の調整ですね。感慨深いですね」S先生が優しい笑顔で声をかけました。「先生、本当についにこの日が来たんですね。なんだか信じられないくらい嬉しいです」Aさんは少し興奮した面持ちで答えます。「まずは全体のチェックから始めましょうか。口を大きく開けてください」S先生はミラーと探針を手に取り、Aさんの歯並びや噛み合わせを丁寧に確認していきます。「うん、素晴らしいですね。計画通り、非常に綺麗に並びました。特に気にされていた前歯のガタつきも完全に解消されていますし、噛み合わせも安定していますよ」しばらくしてS先生が言いました。「ありがとうございます!自分でも鏡を見るたびに嬉しくて。ただ、ほんの少しだけ、右上の犬歯の先が内側に入っているような気がするんですが…気のせいでしょうか?」Aさんが少し遠慮がちに尋ねます。「なるほど、確かに言われてみれば、ほんのコンマ数ミリですが、もう少し外に出しても良いかもしれませんね。Aさんのこだわり、素晴らしいです。大丈夫ですよ、最後の調整ですから、納得いくまで微調整しましょう」S先生はそう言うと、慎重にワイヤーを調整し始めました。「この最終段階でのAさんのようなフィードバックは非常に重要なんです。私たち医師が見る客観的な美しさと、患者さんご自身が感じる主観的な満足度、その両方が満たされて初めて、本当の意味での治療成功と言えますからね」調整を終え、S先生は再びAさんに鏡を渡します。「いかがですか?」「はい!完璧です!本当にありがとうございました!」Aさんの顔がぱっと明るくなりました。「よく頑張りました。次回はいよいよ装置撤去ですね。その後は保定が始まりますが、それについても詳しく説明しますから安心してください」S先生はAさんの肩をポンと叩きました。最後の調整は、医師と患者が共に築き上げてきた信頼関係の集大成とも言える瞬間なのです。
ドクターと迎える矯正フィナーレ!最後の調整の会話