大学三年生の美咲さんは、念願だった歯列矯正を始めて半年が経ちました。最初は装置の違和感や食事の制限に戸惑うことも多かった彼女ですが、今ではすっかり矯正ライフに慣れ、日々の食事にも工夫を凝らしています。美咲さんが特に気をつけているのは、やはり「食べられないもの」をどう避けるか、そしてそれに代わる美味しいものを見つけるかということです。矯正を始めた当初、彼女が最も恋しかったのは、パリパリとした食感のポテトチップスと、お祭りの屋台で食べるリンゴ飴でした。しかし、これらは矯正装置にとって大敵。歯科医からも固く止められていました。「最初の頃は、本当に何を食べたら良いのか分からなくて、毎日おかゆとヨーグルトばかり食べていました」と美咲さんは苦笑します。しかし、それでは栄養も偏るし、何より食事が楽しくない。そこで彼女は、まず矯正中でも食べやすい食材のリストアップから始めました。豆腐、卵、ひき肉、白身魚、バナナ、そして柔らかく煮込んだ野菜たち。これらをベースに、レシピサイトや矯正経験者のブログを参考に、様々な料理に挑戦するようになりました。例えば、硬くて食べられないリンゴは、すりおろしてヨーグルトに混ぜたり、薄くスライスして電子レンジで加熱し、シナモンを振ってアップルチップス風にしたり。大好きなカレーも、具材を細かく刻み、ルーも着色しにくいホワイトカレーを選ぶなどの工夫を凝らしています。「食べられないものがあるからこそ、新しいレシピや食材の美味しさを発見できることもあって、それはそれで楽しいんです」と美咲さんは前向きです。外食の際は、事前にメニューをチェックし、食べやすそうなものを選びます。友人との食事では、事前に矯正中であることを伝えておくと、メニュー選びにも協力してもらいやすいそうです。食後のケアも欠かしません。携帯用の歯ブラシセットは常に持ち歩き、どこでもすぐに歯を磨けるようにしています。「確かに制限は多いけれど、綺麗な歯並びのためだと思えば頑張れます。それに、工夫次第で食事は楽しめるって分かったので、矯正期間もポジティブに過ごせています」と語る美咲さんの笑顔は、とても輝いていました。